歯周病治療|新潟市の歯医者【竹内歯科クリニック】

歯周病

当院の歯周病治療に関して


歯周病はSilent disease(サイレントディジーズ:沈黙の病気)とも呼ばれ、ほとんど症状のないまま静かに進行していく病気です。歯が浮くような感じがするなどの症状が出たときにはすでに重度に進行しており、外科手術や抜歯などの治療が必要になる場合もあります。

だからこそ、自覚症状がない場合でも定期検診での早期発見・早期治療が重要となります。

また、歯周病は1本の歯を治療すればそれで回復するものではなく、お口の中全体の細菌や咬む力のリスクを生涯にわたってコントロールしていくことが必要です。

当院ではお口の中全体を診ながら治療の必要性や今後のリスクなどを見極め、よりよい治療や予防を提案しています。患者さま一人ひとりにとってどんな治療が最適なのか、カウンセリングで丁寧に説明することを心がけています。

疑問に思う点やご不安なことがあれば、お気軽にスタッフまでご相談ください。

歯周病イラスト

歯周病になる原因とは?


歯周病の主な原因は、「歯垢」と呼ばれる細菌とその代謝物の塊です。血液や唾液の力で固まり、歯石になることもあります。この歯垢や歯石が歯と歯ぐきの境目にある溝(歯肉溝)にたまることで、体が防御反応として炎症を起こし、歯ぐきからの出血や歯を支える骨(歯槽骨)を溶かすなどさまざまな症状として現れます。

歯周病菌はおおむね18歳以降に感染し、主な感染経路は親やパートナーとの接触や食具の共有などといわれています。

歯周病が30代以降に大きな問題となってくるのは、年齢を重ねることで体の抵抗力が低下するためです。若く免疫力が高いうちは歯ぐきの抵抗力も高く、歯垢が溜まっていても重度の症状が現れることは多くありません。

歯ぐきが腫れても、歯垢をしっかり取り除けば元の健康な状態に戻りやすいです。 体の抵抗力が低下する30代以降は症状が重篤になりやすく、気づかないうちに進行するリスクが高くなっていくため特に注意が必要です。

また、歯周病の原因は歯垢の堆積だけではなく、ホルモンバランスの変化や咬み合わせによっても引き起こされます。

歯周病の原因は一つではなく、いくつかの原因が組み合わさって起きていることもあります。

それぞれの原因を見極め、適切な治療を行っていくことが重要です。

歯周病の進行と症状について


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歯肉炎

歯と歯ぐきの境目に歯垢が溜まり、歯ぐきが赤く腫れている状態です。歯を支える骨までは影響が及んでいません。

歯磨きをすると歯ぐきから血が出ることがありますが、痛むことはありません。歯科医院で歯磨き指導を受け、毎日のケアをしっかり行うことで元の健康な状態に戻すことができます。

初期の歯周病イラスト
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軽度歯周炎

歯垢を放置すると歯ぐきの溝が深くなっていき、3〜5mm程度になると歯を支える骨も少しずつ溶けていきます。溶けてしまった骨は再生することはないので、早い段階での対策が必要です。

痛みや違和感など自覚できる症状はまだほとんどありません。歯科医院でクリーニングや歯磨き指導を受けることで改善することができます。

軽度歯周炎のイラスト
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中等度歯周炎

歯ぐきの溝が4〜7mmに深くなっていきます。溝の中の歯垢が血液などの力によって歯石へと変化し、場合によっては外科手術で除去する必要性も出てきます。

歯ぐきから膿が出る、歯が浮くような感じがする、口臭が気になるという方も出てきます。溝の中に歯ブラシやフロスが届かないため、セルフケアでの改善は困難です。歯科医院では状況に応じて麻酔をしながら歯石を除去します。

中等度歯周炎イラスト
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重度歯周炎

歯ぐきの溝が7mm以上になると、歯を支える骨がほとんどなくなり歯が揺れてきます。

歯が揺れることで食事がしにくくなったり痛みが出たりします。治療して改善していくことは難しく、抜歯が選択されることも多くなります。

歯周病が身体に及ぼす疾患とは


出血した血管から細菌が侵入したり、歯ぐきの炎症物質が体の他の部分にも悪い影響を与えたりすることで全身に影響を及ぼします。歯周病が発症や重症化に関係していると言われている疾患は多岐にわたり、研究がすすめられています。今回は特に関係性が指摘されている疾患を6つ紹介します。

糖尿病

糖尿病の患者は、そうでない人と比べると歯周病の発症率や進行度が有意に高いことが報告されており、歯周病は糖尿病の合併症の一つであるといわれています。

一方で、歯周病は糖尿病を悪化させることも研究で明らかになっており、糖尿病と歯周病は相互に関係しあうことがわかっています。

歯周病を治療することによって糖尿病が改善するため、糖尿病患者にとってお口の中を管理することは重要な意味を持ちます。

誤嚥性肺炎

高齢や命に関わる疾患などにより咳をする力が弱くなると、唾液などと一緒にお口の中の細菌が誤って喉頭や気管に入ってしまい、肺炎を引き起こすリスクが高くなります。

誤嚥性肺炎は2022年の死因第6位に数えられ、私たちにとって身近な疾患といえます。

動脈硬化・心筋梗塞

口の中の細菌が血管に定着すると炎症を起こし、次第に堆積してこぶのようなものをつくりだします。これにより血管が狭くなったり、血流が止まってしまうことで心筋梗塞などの重大な病気を引き起こします。

早産・低体重児出産

妊娠している女性が歯周病にかかっていると、歯周病菌が胎盤や子宮に入り込んで胎児の成長に影響を及ぼしたり、歯周病の歯ぐきから産生される炎症物質によって早産のリスクが高まる可能性が指摘されています。

重度の歯周病にかかっている妊婦の場合ではそのリスクは7倍となり、喫煙やアルコールよりも高いといわれています。

肥満

近年の研究で、脂肪組織から産生される炎症物質が歯ぐきの炎症を亢進させていることがわかってきました。

さらに、BMIの数値が高いほど歯周病患者の割合が高かったという研究結果もあります。

歯周病は肥満の原因になる可能性も示唆されており、歯周病と肥満は相互に関係しあっているといえます。

認知症

歯周病を引き起こす細菌が、アルツハイマー型認知症の原因である脳内物質アミロイドβの受容体を増やすことで蓄積を促し、認知症の発症や症状の悪化を招くことが明らかになりました。

さらに、歯周病菌の持つタンパク質分解酵素は、アルツハイマー病発症のきっかけになるという研究結果もあり、これを利用した治療薬